勇気と世界を見る目を与えてくれた「ファクトフルネス」

あまりにも色々なところで話題に出たり見かけたりするものだから耐えられなくなって、遅ればせなら読んでみました「ファクトフルネス」。

予備知識なく本を読んでほしい派にも関わらず、自分が読んだ本の内容は誰かに話したい、という相反する願いを抱えているので、前半はなるべく内容に触れない雰囲気感想・後半は超ネタバレ感想という構成で、本日もお送りします。

厚みに怯むな!ビジネス書屈指の読みやすさ

書店で見かけたとき、本書の厚みに引いてしまって読まなかった人も多いのではないだろうか。

厚さ約3センチの巨体なのでそう思うのも無理もないのですが、中を開くと結構文字も大きく、図やグラフも要所要所で挿入されており、それと最後の方は膨大な脚注です。読み進めると「あっ本文ここまでなのね(ラッキー!)」となります。

もちろん読み通すのにはそれなりの時間がかかると思いますが、本文の文字数という意味では、そこまで多くない印象でした。

読みやすさ、というのはそれだけではありません。この著者がね、徹頭徹尾いい人で好感が持てる。

通常、ビジネス書において著者の人格は重要視されるポイントでは無いと思うのだけど、この著者、お茶目なのである。

正義感に溢れ、ポジティブ(自称・事実主義なのだけど、わたしにはやはり楽観主義に思える)で、自らの過ちを素直に認めることができて、大道芸でたまに見かける剣飲みができる。なんなら、彼の授業の最後は大体剣飲みで締めくくられるのだという。

そんな著者ハンス・ロスリングの語りはとにかくチャーミングで、本の中でもすぐパレードを開きたがる。(「この素晴らしい事実を祝おうじゃないか!パレードを開こう!」みたいなことをすぐ言う)

世界の事実を語る本、と聞くと身構えてしまうけれど、使命感とユーモアに溢れた著者の語り口はどこまでも心地よい。
知らなかったことを知りたい、世界がどうなっているのかを知りたい、そんな軽い気持ちで読めるところも本書の魅力だなと。

ネタバレ感想:世界の分断を思った週末

以降、本書の内容に触れる感想が続くので、未読の方はご注意ください!

“ドラマチックに世界を見すぎる”本能がある、という指摘は「確かにそんなこともあるだろう」と納得させるキャッチーさと、説得力があったな。

13問のクイズにも勿論挑戦してみたけれど、ことごとく間違っていたものな!著者の手のひらの上感がすごかった笑

自信を持って答えられたのは温暖化に関する質問だけで、「世界は悪いことで溢れている・世界は分断されている」という思い込みに囚われていることに気づいた。

そして本書を読み進めた結果、世界の国々はレベル1からレベル4に分類することができて、わたしたちがイメージしてしまいがちな“最貧困(=レベル1)”の国はどんどん減ってきていて、4分類の中では中間層に位置付けられる国や人が今やほとんどであることを知ることができた。

よかった、世界は良くなっているんだ、それとわたしたちが知らないだけで。

明るい気持ちになった一方、ちょうどツイッターでこんな記事が流れてきた。

今日(2020/9/13)時点で2万弱の「スキ」が付いているこの記事は、とある地方都市で生まれ育った書き手が、自分にとっての「ふつう」を書き連ねたもの。

わたしにとっての「ふつう」とあなたにとっての「ふつう」は違う。

そのシンプルな真理、日本で発生している現実が切々と書かれていて胸を掴まれる。

本書の著者が言う通り、世界は確かに良くなっているんだろう。赤ちゃんの死亡率は下がり、女性は男性と同等の教育を受けていて、所得水準もどんどん上がっている。

けれど、日本をはじめとするレベル4の国の中で、こんなにも分断はある。世界は割れ切っていると書く高校生がいる。

ちょうど、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読みイギリスの中でも所得差を主因とした分断が描かれていたところだったので、ますます、なんと言うかしょんぼりした気持ちになった。

いまわたしに出来ることは、こういう本が記事が情報がありますよ、とネットの大海にそっと流すことだろう。そんなことを思って、この記事を書いています。なるべく充実した記事にすることで、誰かの目に留まりやすくなるようにと気をつけながら…。(難しい…)

良書だったので図解を試みた:10個の世界を見る手段

読んでみて印象に残ったこと、勉強になったことをiPadのノートアプリにまとめた画像が続きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!